高円寺北三丁目

ちょっとひといき

何回行っても思い出すのはあのひとときだ

長い長い夢を見ていた気がする。

 

そう、僕は今2010年12月、人生初めて彼女とディズニーランドに来ている。

 

もう10年以上も前の話なのにいまだに覚えているのだ。楽しみすぎて朝5時過ぎに起きてガラケーで撮った朝焼けの写真も、まだ13時だって安心した記憶も、もう帰らないと行けないの?って思った記憶も

 

別にそのあとのどの彼女ともディズニーには行っているしそれぞれ特別な思い出もあって、それぞれ楽しかった。

でも、あの時のディズニーランドは人生でほぼ唯一、この瞬間一つ一つを楽しみたい、まだ終わらないでほしいと思えた時間だった。

 

その後に来てしまう絶望的な別れになんとなく気がついてしまっていたのか

 

あの瞬間とそれ以降では何が変わってしまったのだろう。

他に楽しいと思えることを知ってしまったからだろうか。

当然彼女との旅行でこの日はこれをして…と思い出す瞬間はあるが、鮮明にあの瞬間瞬間の時間までをいまだに覚えているのは何故だろうか

 

考えても仕方ないし答えは出ないのだろう。ただいつでもそれを思い出すと胸がじわじわ、温かくなる。

 

当時は忘れたい記憶でも今ではいい記憶という事なのだろう。